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【メディア掲載】岐阜新聞 連載コラム『素描』 第8回(最終回)「育児に悩んだ時こそ自分自身を大切に」

岐阜新聞 連載コラム『素描』に、当法人代表理事 後藤千絵が8回にわたり寄稿いたしました。
第8回(最終回)は、「育児に悩んだ時こそ自分自身を大切に」です。

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 「おいしいクッキーの焼き方」のように、手順通りにやれば誰でもできるという「成功のレシピ」がないのが育児。世の中に育児本はあまたあれど、子どもの個性や家庭環境はそれぞれ違うため、育児マニュアル通りにはいかないと感じている人も多いでしょう。

 私は現在中学1年生の娘を育てています。仕事はタイムマネジメントしながら、大量のタスクに優先順位をつけてこなしますが、子育てにはそれが全く通用しません。乳幼児の頃は予定通りに食事をしてくれない、出がけにかんしゃくをを起こす、知育玩具にまったく興味を示さないなど「ちゃんとしよう」と思うほどに空回り。育児本にあるような理想とはほど遠い状況にイライラ。豊かな情緒を育てたいと絵本の読み聞かせを試みても、娘は本を奪い取って勝手に最後までページをめくり、あぜんとする私を見上げてケタケタ笑うという結末。無力感に打ちのめされる日々でした。

 育児がラクに感じられたのは、仕事を始めて保育園に行かせるようになってから。娘と過ごす時間が短くなった分、一緒にいる時間に娘をよりいとおしく感じられ、心に余裕ができました。子育ては誰かとシェアする方がずっとラクです。
 
 育児で唯一心がけてきたのは「心を満たす」こと。子どもは理屈が通用しません。雨降る夜に公園に行きたいと駄々をこねて泣くこともありましたが、娘を優しく抱きしめ気の済むままで泣かせ、「大好きだよ」と伝えてきました。それには自分自身のウェルビーイングがとても大切。だから私はこれからも、私の人生を生きていこうと思います。

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岐阜新聞Web(会員限定記事)→https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/403203

■岐阜新聞2024年6月25日付掲載■

バックナンバー

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第2回 「念ずれば花ひらく

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第4回 「忍者ねこと障害者のハッピーな関係

第5回 「No Charity, but a Chance!

第6回 『「予防的支援」が当たり前になることを願って

第7回 「消滅可能性自治体から脱却するには