【メディア掲載】岐阜新聞 連載コラム『素描』 第7回「消滅可能性自治体から脱却するには」
岐阜新聞 連載コラム『素描』に、当法人代表理事 後藤千絵が8回にわたり寄稿いたします。
第7回は、「消滅可能性自治体から脱却するには」です。
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世界経済フォーラムは6月、2024年版のジェンダー・ギャップ指数(男女平等の実現度合い)を発表しました。日本は146カ国中118位で、過去最低だった前年(125位)から多少順位が上がったもののG7で最下位。「政治」「経済」の分野で男女格差が大きく、その中でも「管理的職業従業者の男女比」は130位と世界的にも最低水準です。
岐阜県は女性管理職の割合が13%と全国的にも低く、女性経営者の割合は14年連続で全国最下位と、日本の経済分野におけるジェンダー・ギャップの解消の足を引っ張っている状況です。この状況は女性の県外流出につながり、「消滅可能性自治体」となるリスクも高まります。自治体は「女性活躍」と銘打ったセミナーなどを開いていますが、正直あまり効果が出ているとは感じません。
数少ない私の女性経営者仲間は、あらゆるリソースを駆使し、魂を削って通常の2倍働くようなスーパーウーマンばかり。古典的な良き妻・良き母像では仕事と家庭の両立は成立しません。私も育児をしながら働いていますが、正直しんどい。もっと豊かな人生を送りたいと考える優秀な若い女性は岐阜で働くことの将来性を感じられず、どんどん県外流出しています。女性であることを理由に安い賃金でキャリアアップを望めない仕事をするくらいなら働かない、という生き方を選択する女性もいます。
女性活躍、ジェンダー・ギャップの解消に向け必要な対策は、岐阜で働くことを選ばなかった女性が教えてくれるでしょう。彼女たちの声を聴き、変わるべきは女性よりも男性と社会なのです。
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岐阜新聞Web(会員限定記事)→https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/400266
■岐阜新聞2024年6月18日付掲載■
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