【メディア掲載】岐阜新聞 連載コラム『素描』 第5回「No Charity, but a Chance!」
岐阜新聞 連載コラム『素描』に、当法人代表理事 後藤千絵が8回にわたり寄稿しております。
第5回は、「No Charity, but a Chance!」です。
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「No Charity, but a Chance(保護より機会を)」-。これは日本パラスポーツの父と呼ばれる故中村裕医師の言葉です。1960年代、「障害があると働けない」とされていた時代に誰もが自分の能力を発揮できる社会を目指し、大分県別府市に障害者の働く場をつくりました。
2023年の厚生労働省の調査によると、障害者総数は1160万2千人で人口の約9.2%に相当するそうです。この数に驚いた人も多いのではないでしょうか。障害者の就労支援を行う福祉施設は全国に約2万カ所あり、就労を希望する障害者に多様な訓練や支援を提供しています。ですが、こうした施設は障害者しか利用できません。
日本財団の調査では、ひきこもりや難病者など障害者以外の働きづらさを抱えた人は全国に600万人いると推定されています。しかし、こうした就労困難者への公的な就労支援はありません。ますます労働人口の減少が深刻となる一方で、働けていない人がこんなに多くいるというのは実にもったいない。
そこで、障害者の就労支援施設でひきこもりなどの就労困難者にも支援してはどうかと始まったのが「岐阜市ワークダイバーシティ実証化モデル事業」です。多様な就労困難者を対象に就職相談やスキルアップ訓練、就職活動支援を提供。利用者からは「働く自信がついた」「自分に合った働き方が見つけられた」といった感想が寄せられ、事業開始から1年9カ月で10人が就職しました。
「就労支援をすべての人に!」。多様な人が活躍する時代がやってきます。
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岐阜新聞Web(会員限定記事)→ https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/394804
■岐阜新聞2024年6月4日付掲載■
バックナンバー
第1回 「疑問は行動の原動力」
第2回 「念ずれば花ひらく」
第3回 「福祉が生み出す持続可能な小さなビジネス」
第4回 「忍者ねこと障害者のハッピーな関係」