【メディア掲載】岐阜新聞 連載コラム『素描』 第1回「疑問は行動の原動力」
岐阜新聞 連載コラム『素描』に、当法人代表理事 後藤千絵が8回にわたり寄稿いたします。
第1回は、「疑問は行動の原動力」です。
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「よそ者、若者、ばか者」という言葉を聞いたことがあると思いますが、9年前に起業した当時の私がこれでした。東京からIターンし、3歳になったばかりの子どもを抱えた女性が縁もゆかりもない岐阜で起業したのですから、どんなキャリアの持ち主かと期待もされましたが、実際はキャリアも資格も実績も何もない一人の若者でした。
2015年に最初の障害福祉施設(就労移行支援事業所)「ノックス岐阜」をオープンし、そこから全国でも珍しい女性障害者向けの町屋の施設「アリー」や障害者の仕事のやりがいと保護猫活動の両立を目指した施設「シャンツェ」など、一風変わった障害福祉施設を立ち上げてきました。
対人支援の現場は、日々「はて?」と思うことの連続です。「なぜ福祉事業所の利用者は男性が多いのだろう?」「なぜ高学歴の障害者は福祉事業所の利用に抵抗感があるのだろう?」「なぜ障害診断がないと支援が受けられないんだろう?」福祉の世界で当たり前とされてきたことは、「よそ者ばか者」の私には疑問だらけでした。
起業前は3年と仕事が続いたことがないくらいの飽き性です。その私が就労支援の仕事を続けてきたのは、もちろん仕事のやりがいもありますが、まだまだ「はて?」が解消されないからです。
誰もが働く機会を得て、生きがいにつながる、なぜそんな当たり前を実現できないのか?疑問はいつからか障害福祉の領域を超え、人権や持続可能な社会の在り方を考えるようになりました。何者でもない私が、不器用ながら試行錯誤で社会課題に挑む様子をご覧いただけると幸いです。
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■岐阜新聞2024年5月7日付掲載■